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11/02/2004

ピエール瀧 7Hours

 03年秋にリキッドルームでおこなわれた「ピエール瀧7HOURSの評。ミュージックマガジン掲載。

 歌詞は書くが曲は作らない。楽器や機材もいじらない。DJもやらない。歌は歌うが、ヘタ。それどころか電気グルーヴのライヴでは、何をするでもなくワケのわからんカブリモノでステージをうろうろしているだけ、ということもしばしば。そんなピエール瀧が、ひとりのDJが長時間プレイすることがウリの7アワーズで、一体何をやるのか?

 しかし、ぼくも含めた多くのファンは、本当に指折り数えてこの日を待ち焦がれていたはずだ。瀧が7アワーズのステージにひとりで立つというだけで、この日は歴史的な夜なのである。いやマジで。

 そして内容はさながら公開バラエティショーの趣だった。目玉は瀧vo、ブラボー小松g、元電気グルーヴの砂原良徳kbdらによる「ピエール瀧とベートーベン」なるバンドのライヴ。ダイナミックなロック・グルーヴを叩き出すベートーベンの演奏に乗って電気や人生(電気の前身)の曲が歌われるわけだが、最高なのは瀧のキャラクターと、パフォーマーとしての図抜けた魅力だ。くだらなすぎる歌詞をがなりたて、巨体を揺らしてステージをのっしのっしと歩き回り、客に向かってアジテイトしまくる。今夏のイベント「Loppa Night」でも、プレイする各DJの前に出てきて、踊ったり脱いだり、MCで煽ったりするだけで客席は異様な騒ぎとなり、そのエンタテイナー&アジテイターぶりを確認したが、この夜のライヴでもその本領を遺憾なく発揮。異形でいびつなギャグ感覚、傍若無人で乱暴だけど憎めないキャラクターとあいまって、最高に盛り上がったのだった。日本にテクノを普及させたのは電気グルーヴ/石野卓球の功績だったとしても、電気がいまのようなポピュラリティを得たのは瀧の魅力であり、電気とほかの生真面目なテクノ・アーティストを圧倒的に峻別しているのは、「瀧的なるもの」の有無であることをはっきりと再確認したのである。

 しかし、ここは7アワーズ。1時間ほどの凝縮されたライヴが終わると急に場内には弛緩したムードが漂い、リリー・フランキーや大槻ケンヂとのトークなど、ぬるーいギャグ企画が延々と続く。気がつくとぎゅうぎゅうの満員だった客席はスカスカになっている。このしまらなさ加減、緊張感のカケラもないゆるさ加減もまた、まちがいなく瀧の世界。いやー楽しかった。

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