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2004.03.01

■WIRE

 最高だった。2月29日(日)@渋谷クアトロ。

 開演前に近くの喫茶店でコリン・ニューマンg,voの取材。傍らで別の取材を受けていたブルース・ギルバートともども、もう50歳はとうに超えているはずで、見た目はただのおっさんである。とても温厚な人だったが、やはり年齢なりに丸くなったのだろうか。話の内容はとても興味深いもの。パンクとの関わりを執拗に否定していたのが印象的だった。「Fine Time」のサンプルを渡し、一番好きな『Provisionally Entitled The Singing Fish』のアナログにサインしてもらう。役得でスマン。ちなみにコリンの一番好きなワイヤーのアルバムは(最新作『Send』以外で)、『Chair's Missing』と『Drill』だそうだ。

 終了後会場に向かうとPhewのビッグ・ピクチャーがすでに始まっていた。Phewらしい尖った音。Most的パンク曲から、ゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー!みたいな音まで。続くメルト・バナナはまたテンポが速くなっていたような。いつものことだが、最高にかっこよかった。

 しかし8時50分ぐらいに登場したワイヤーははっきり言ってそれらをはるかに上回って最高すぎ!大傑作 『Send』に通じるハードなロックだったが、終始ヒリヒリとした緊張感とすさまじいテンションに彩られた演奏に、心底シビレてしまった。さきほどの好々爺然とした温厚さをかなぐり捨て、激しいアクションとアグレッシヴなヴォーカルで迫るコリン・ニューマン、対照的にまったく客席を向くことなく終始微動だにせずハードなリフを叩き出すブルース・ギルバートのかっこよさと言ったらない。まさにパンク、まさにニュー・ウエイヴ。26年前の78年、ロンドンのマーキーで見たワイヤーのライヴで受けた得体の知れない衝撃を、生々しく思い出してしまったよ。あのころからいい意味で全然変わっていない。これで平均年齢53歳だぜ! オレなんかよりはるかに年上のおっさん連中がいまだこんなに尖り続けているんだから勇気づけられるし、負けていられないと思う。会場に向かう途中の渋谷駅前では高校生の青春パンク君が路上演奏してたけど、あんな連中、見た目や肉体年齢は若くても精神的・音楽的にはインポのジジイ同然だ。いまの保守化した若手でワイヤー以上にパンクでニュー・ウエイヴでオルタナティヴな連中がいたら教えてもらいたいものである。久々に大声をあげて盛り上がってしまった。まさか"Lowdown"を唱和するときがくるとはなあ。正味の演奏時間は50分ほどという短さもまた最高だった。

 会場を出る客はひとり残らず笑顔(意外に若いのも多い)。周りの誰に聞いても絶賛の嵐だった。言っておくが、年寄りのファンが年寄りのバンドを聞いて同窓会的に盛り上がったんじゃないぜ。完全な現役の最前衛として素晴らしい演奏を展開したから感激しているのである。去年のDAFもそうだが、年寄りだろうがなんだろうが、ホンモノはいくつになってもホンモノということだ。気が早すぎだが、もはや今年のベスト・ライヴは決定。見逃した人は生涯後悔してください。フジロックに来ないかなあ。

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