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2005.08.28

■夏の終わり

 フジロック後もいろいろ夏フェスに参加。昨日で一段落しました。持病が再発したり、、いろいろなことがあった3週間でした。備忘録も兼ね、簡単に総括を記しておきます。


8月13日~14日 サマーソニック@東京

 初日。人は多いけどそれほどゴチャゴチャした感じもないのは、動線が改善されたのか会場が広くなったのか。
 チラ見はたくさんしたが、がっつり見たアクトはM.I.A.→電気スチャ→スリップノット→ナイン・インチ・ネイルズ。

 M.I.A.は2日前に取材したばかり。彼女を含む女性の2MC、男DJひとりという構成。のっけからバウ・ワウ・ワウのサンプリングで喜ばせたりユーリズミクスを流したりとDJはなかなかの芸人。肝心のM.I.A.嬢は、パフォーマーとしてはもうひとりの女性MCのほうが目立っていたぐらいだったが、その溌剌とした魅力と、トラックのユニークさの片鱗はうかがえた。でもレコードのほうがいいね。あと、広い会場だとチャーミングなルックスがおがめない。スラックスをはいていたので、きれいなおみあしも見れなかったし(取材ではショートパンツ姿だった)。
 
 電気スチャは、1時間の予定と以前聞いていたが、結局45分。なので先日のリキッドでやった「シャングリラ」や「ブギーバック」はなし。それを除けばリキッドとほぼ同じだったが、会場が広いぶん、リキッドのときのような親密な楽しさは生まれず。ギャグも、ぼくの見ていたフロア後方のほうではいまいち不発でした。でもやっぱりアニは最高です。卓球のサンバホイッスルにも驚いたし。

 スリップノットは初めて見たんだけど、予想以上に徹底したエンタテインメント。ちょっと単調ではあったが、プロレス見てるみたいで面白かった。アレは要するにキッスの現代版ですね。でもオレはレコードのほうが好き。

 NINは、見事。演奏のクオリティも、アーティストのテンションも高い。表現すべき世界を的確に把握して、完璧に遂行した感じ。画期的な新しさとか衝撃とかルサンチマンの大爆発的なものとはちがうが、ボロボロだった新作の評価を補って余りある、次作への期待すら持たせるライヴだった。

 会場では久々に会った古い友だちと話したり、それなりに楽しかった。

 2日目は3時前ぐらいにダラダラと会場に到着。日差しが強く、暑い。

 ロディ・フレイム(途中抜け)→シチズン・コープ→HMVダンステントのDJ→パブリック・エネミー→ラーズ

 おっさん臭い一日でした。
 ロディ・フレイムは完全ソロで、生ギターの弾き語り。声はよく出ていたし、人柄の伝わるあったかいライヴ。宮子君、油納君ほか、ネオアコ/ギタポ界のお歴々が総集合していて、なごやかな語らいの昼下がり。
 いい天気ということもあって、ぜひ一度は顔を出したかったビーチ・ステージ。去年はステージだけ設営したシンプル、というか素っ気ないセットだったけど、今年は売店などもいっぱい出て、波打ち際で水遊びしながらダラダラ過ごすにはいい感じ。コンクリートに囲まれた感のあるサマソニの中で、このステージの存在は貴重じゃないかな。シチズン・コープはちょっと小粒な感じはしたが、声もいいし、悪くない。
 
 HMVダンス・テントの凡庸なDJに呆れながら再びメッセに戻ったら、PEが始まるところ。時間の余裕を見て戻ったつもりだったが、前のアクトがひとつキャンセルになって、出番の時間が繰り上がったらしい。フレイヴァー・フレイヴが欠席、ターミネーターXは引退していないというライヴだったが、驚いたのはギター、ベース、ドラムが入ってバンド編成になっていたこと。一体いつから?(→追記:高木完さんの日記によれば、「ライブにギター、ベース、ドラムスが加わったのは2年ぐらい前のLONDONのATPぐらいから噂にはなっていたこと」だそうだ) よって演奏はファンク色が強まっていたが、バンドの力量もあって、ちょっとバタバタしてる感も。フレイヴァーがいないので、ショウとしての色合いもやや単調になっていたかもしれない。だが、にもかかわらずチャックDのカリスマ性とアジテイターとしての力量のすさまじさで、フロアはまさに狂乱の渦。剛直なメッセージでぐいぐいと押しまくり、1時間のライヴはほんとにあっという間に終わった。ほんとにこの人、観客を煽る天才だ。政治家や革命家にならないのが不思議なぐらい。メンバー勢揃いのちゃんとしたワンマン・ライヴを見たい。

 そして15年ぶりのラーズ。もう昔の来日公演のことはすっかり忘却の彼方だったけど、あんなに無骨で素っ気ないライヴだったっけ? リー・メイヴァーズの声はさほど衰えていなかったし、楽曲はやはりいい。洗練されているとはお世辞にも言えないバタバタした演奏は、むしろその無骨な垢抜けなさゆえに、彼らの音楽にいつまでも新鮮な輝きを与えているように思った。メイヴァースの歌声には、トシをとっても手垢のつかない清潔さがある。音響派以降の感覚を感じさせる昨今のシンガー・ソングライターはもちろん、80年代ネオアコに比べても古めかしい、あえていえば「フォーク・ロック」と呼ぶにふさわしい骨太なライヴで、楽しめた。

 ということで2日目もおしまい。オアシスが残っていたが、駐車場の混雑を避けはやめに帰宅。

8月19日~20日 ライジング・サン・ロック・フェスティヴァル@石狩

 飛行機の時間は昼の12時だったが、起きたのはなんと午後1時。ライジング・サンは1回目のときも寝過ごして飛行機に乗り遅れたのでこれで2回目。10分で身繕いして羽田へ。マイレージでとったチケットは振り替えが効かず、仕方なく3万円出して正規チケットを購入。幸いにも4時前の飛行機があり、一路札幌へ。一旦ホテルに荷物を置き、シャトルバス乗り場の麻生(あざぶと読む)駅に行くが、タッチの差で終バスを逃す。同じように終バスを逃したポリシックス・ファンの女子(感謝!)とタクシー相乗りで会場へ。タクシーは会場から離れた場所までしか行けないので、走って会場へ。

 会場に着くとロザリオスをやっている。結局最後の15分しか聴けなかった。
 そのあとポリシックス→電気スチャ→QYB

 電気スチャはこれが解散ライヴ(笑)。最後に「ぼくたちはふつうのおじさんに戻りまーす。今まで幸せでしたー」というMCが楽しかったが、これまでで一番短いセットだったこともあって、例のアニのボヤキ節曲もやらず、その点ではちょっと物足りなかったかな。演奏もパフォーマンスもギャクも一番まとまりはよかったし、本人たちもこの日のライヴが一番良かったと言ってたみたいだが、やっぱりワクワク度は最初のリキッドが一番あった。

 電気スチャ直後から豪雨。QYBをやるステージはとにかく遠く、暗いわ足元は悪いわ雨は激しいわ、途中で足がつるわで、フジに続いてなんでこんな難行苦行……と思っていたが、QYBのライヴがあまりに素晴らしくて、イヤな気分はすべて忘れた! 久々にヤマジカズヒデの天才性を再確認。メニューはほとんどdipの曲だったけど、バックが違うだけであんなにも違うのか! Qちゃん、キミはえらい! ヤマジよ、どうせならこのメンバーでアルバムを作ってくれ!

 その後レッドスターフィールドに移動、ケムリのライヴを久々に見て、スタッフのクルマに便乗して戻る。疲れたけど面白かった。

 2日目。 見たのは赤犬→(メシ喰いながらダラダラと。横ではオネスティが演奏してた)→House of Liquid(Moodman)→Tokyo No.1 Soul set→デートコースペンタゴン・ロイヤルガーデン→ライムスター→フィッシュマンズ→ASA-CHAG&巡礼→安藤裕子→ROSSO→(バックステージでダラダラしながらシャーベッツなど)→EGO-Wrappin'→ONJO→LOOPA(石野卓球、カガミ)→ENDS→(バックステージでダラダラしながらクレイジー・ケン・バンド、くるり、斉藤和義など)

 やはりこの日のハイライトは、どう考えてもフィッシュマンズ。最初に茂木欣一がニコニコしながら出てきてメンバー紹介をした時点ですでにグっとくるものがあって、最後まで涙腺ゆるみっぱなし。熱心なファンなら、もう号泣ものだったんじゃないか。各ヴォーカリストについて簡単に触れておくと、原田郁子=大好きな郁子ちゃんが、オレの一番好きなフィッシュマンズの曲を歌ってくれたのは嬉しかったけど、客観的にみて曲/演奏に負けてたかな。原曲の雰囲気は一番活かしていたけど。ハナレグミ永積=「ナイトクルージング」をあんなに元気いっぱいに歌っちゃいけません。違和感あり。UA=完全に自分の世界になってた。さすが。前日の豪雨がウソのように、このときだけ太陽が出て夕陽が会場を煌々と照らしたのはまさにミラクル。音楽の神が降りてきたかと思った。いやマジに。清志郎=素晴らしかった。もう最初の歌い出しからジーンときた。カンペ見て歌ってたのはちょっと冷めたけど、でも、もっとも影響を受けたはずの大先輩に、こうやって大ステージで自分の曲を歌ってもらって、天国の佐藤伸治も本望じゃないか。このメンバーでツアーをやるかもって噂をあとで聞いたけど、やんなくていいよ。これで十分。あとでバックステージでマネージャーだった「りぼん」のUさんに会い、感激と興奮のままいろいろまくしたてたけど、酔っぱらっていたので話した内容はよく覚えていない。

 とにかく初日の集中豪雨の連続攻撃は相当つらかったし、FOMAがほぼ全滅状態だったのも痛かった。何人もの人から電話が通じないと苦情を受けたが、そんなのオレのせいじゃありません。友人によれば、地元の駒大苫小牧の試合経過を見るため数万人が一斉にi-modeを使ったため回線がパンクしたんだそうだ。NTTドコモはスポンサードしてブースまで出して、針のむしろだったろうな。

 翌日は夕方までホテルで爆睡、夜は友人とススキノでジンギスカン→飲み。月曜朝の便で帰京。

24日 モーサム・トーンベンダー@渋谷クアトロ

 この夏、あまりフェスに出なかったのはレコーディングしていたからだそうだ。この日もレコーディングを抜け出してのライヴ。だが気が張っているのか、内容は良かった。むかしはライヴ毎の出来不出来が激しいバンドだったけど、最近すっかり安定してますね。

27日 メタモルフォーゼ@伊豆サイクリングセンター

 クルマで向かう。駐車場の仕切りが悪く先が思いやられたが、晴天に恵まれたこともあって、その後は楽しく過ごせた。全体に会場内が暗すぎるのは改善の余地ありだし、入場者(1万人強?)の割に係員が少なく、また飲み物がなぜか1ステージ一店しか販売していない(しかもビールは早々に売り切れ)、そのうえミネラルウォーターの価格が店によってバラバラだったなど、主催者側の不手際も目立ったが、会場そのものはなかなか悪くないし、広いので(移動は疲れるが)、音のかぶりがまったくなく、出音も良かった。地元との関係性をうまく保てば、毎年会場が変わって落ち着かないこのイベントも、うまいぐあいに定着しそうだ。そのためには、他フェスに比べても格段に多いゴミの散乱をなんとかしなきゃね。

 見たのはハイファナ(ほんのすこし)→Q’HEY→ROVO→トータス→グリーン・ヴェルヴェット→ゴールディ→(少し)→ギャラクシー2ギャラクシー→EYE(すこし)→アナンダ・プロジェクト

 グリーン・ヴェルヴェットはトレードマークのミドリの髪のモヒカンを切り落としふつうのスキンヘッドになっていて、服装も普通、というか地味。アレレと思ったが、ライヴが始まれば、アゲアゲのノリノリでほんと楽しかった。やっぱり最高です。単独公演やらないかなあ。
 
 しかしそのあとのG2Gがまさに驚愕。黒人音楽の伝統の粋を凝縮したような、すさまじく密度の濃い、至福の喜びに満ちたライヴだった。予定をはるかに超える1時間20分。夜明けとともに「ハイ・テック・ジャズ」が鳴り響いた瞬間の幸福感は、一生忘れられそうもない。フィッシュマンズのときもそうだったが、音楽の神が降りてきましたね。まちがいなくこの夏のフェス中の白眉であり、クライマックスだった。痛む足と疲れきったカラダで無我夢中で踊りまくった、夢のようなひとときだった。終わってアナンダ・プロジェクトの心地よい四つ打ちを聴きながら、これで夏も終わりだなと柄にもなく感慨にふけってしまいました。

 今週からはまた仕事三昧の日々。体調も悪くげんなりですが、我が日ハムも天敵ソフトバンク相手に珍しく連勝、素晴らしいライヴも見て、なんとか乗り切れそうです。

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