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2006.12.21

■オリコン問題について

 3日前に音楽配信メモ経由で烏賀陽氏のメール文面を読んだときには、あまりにひどいやり口と憤激し、その怒りのままあれこれ書き殴ったわけですが、その後いろいろ情報が出て、情勢が変わってきました。なので前のエントリーに代わって、新しく現在の私の見解を書き留めておきます。

第一報の音楽配信メモ
烏賀陽氏の主張
オリコン側の言い分
サイゾーのコメント

 オリコン側は、烏賀陽氏の「オリコンはチャートの調査方法をほとんど開示していない」「予約枚数を算入している」という2点の発言に関して事実誤認であると主張し、それに基づく名誉毀損の賠償訴訟をおこしている。
 正直、かなり痛いところをつかれた気がします。この2点が間違いなく事実であると証明しなければ、烏賀陽氏の全面勝訴はないわけですから。
  しかしこの問題の最大の焦点が、オリコンという上場企業が、いち個人であるジャーナリストを相手に巨額の賠償訴訟を起こしたという一点にあることは明白です。つまり大企業による言論の圧殺ですね。
 3日前のエントリーにも書いた通り、20年ほど前には、レコード会社等による、チャート調査対象のレコード店への「チャート工作」と称した働きかけはありました。また調査した数字を集計しランキングという形で発表する過程で、なんらかの恣意的な操作があった可能性も、否定はできませんでした。
 現在はどうなっているのか、巷間言われるような特定個人あるいは企業との癒着という実態があるのかどうかは、わかりません。ただ、そうした疑いを招きかねない体質あるいはイメージを、オリコンという会社が持っていることは確かで、しかもそれは音楽業界内部では半ば公然のコンセンサスのように語られている。そこを烏賀陽氏やサイゾーは衝いたのです。
 つまりオリコンは「痛くもない腹」あるいは「痛い腹」をさぐられてしまった。その報復が、今回の訴訟であるというわけです。オリコンのIR担当は 「賠償金が欲しいというのではなく、これ以上の事実誤認の情報が流れないように(多額の賠償金を課すことで)抑制力を発揮させたい」と表明したことで、恫喝・言論圧殺が目的であることを自ら明かしてしまった。これはやはり到底許される話ではありません。

 ……とここまで書いたら、オリコン社長名による新たなコメントがリリースされました。

「ライター烏賀陽弘道氏への提訴」について

 かりそめにも言論機関であるオリコンが、恫喝めいた言論圧殺を図っている。そんな声がネットを中心に巻き起こったのをみて、あわてて弁明してみたというところでしょうか。しかしどんな言い訳を並べたところで、いち個人ジャーナリストへの巨額の賠償提訴という暴挙の正当な理由にはならない。烏賀陽氏の発言が事実誤認であるというなら、ほかならぬオリコン誌上で堂々と反論・論破すればいいのです。なんなら烏賀陽氏とオリコン社長で対決対談でもすればいい。
 オリコン社長は「謝れば許してやるよ」と言っているわけですが、なんとも傲慢な言い分と感じました。前にも書いた通り、私個人は「フィッシュマンズ全書」で、オリコン掲載記事の転載を許可していただいた恩義もあり、オリコンが必要以上に叩かれたり悪者扱いされるのは抵抗あるんですが、今回の件はどうあっても擁護できません。残念ながら。

 あと、これは本筋から離れた私の妄想ですが、もし同じ記事をサイゾーではなく「噂の真相」が掲載したらどうだろうと考えました。たぶん、というか絶対に「噂の真相」はコメント主の実名は出さないでしょう。もちろん取材源の秘匿のためです。ふりかかる火の粉はすべて編集部で負う。そんな「噂の真相」相手に、オリコンは提訴したでしょうか?

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