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2007.03.09

■Superfly

 もちろん表題はカーティス・メイフィールドのアルバム名だけど、ここで話題にするのは4月にワーナーよりデビューする新人男女デュオ。

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公式サイト
発売元のワーナーのサイト


 仕事柄J-POP系のサンプルもいっぱい送ってくるけど、ロクなものに出会ったためしがない。なので、資料に「話題騒然の新人」とか書いてあってもまったく関心もてず、鼻くそほじりながら眺めていたら、カプリング曲が「Hot'n'Nusty」だと。へえ? まさかなーと思いながら座り直し、ちゃんと資料を読んだらやっぱりハンブル・パイのカヴァーだった。

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 これの一曲目に入ってる曲ですね。1972年作。掛け値なしのロック史上の名曲です。

 いやーいまどきハンブル・パイとはねえ。同じスティーヴ・マリオットならモッド方面のオシャレ・アイテムになってるスモール・フェイシズのほうがウケそうなのに。いや、うれしいですよ。私はスモール・フェイシズよりハンブル・パイの方がはるかに大好きで、「ロックがわかる超名盤100」にも檄文書いたぐらいですから。

Superfly デビュー・シングル

発売日:2007/04/04
品番:WPCL-10400
税込:\1,200 税抜:\1,143

1. ハロー・ハロー
2. 孤独のハイエナ
3. HOT'N'NASTY

◆PROFILE◆
2003年、地元愛媛県の大学サークルを通じて知り合いSuperfly結成。
2007年4月にワーナーミュージックからメジャーデビューが決定。

Vo. 越智志帆 (Ochi Shiho) 

1984.2.25生まれ。愛媛県出身。
151cmの華奢な体からは想像出来ないパワフルなヴォーカル。
JanisJoplinやCaroleKing、MariaMuldaurなどに深く影響を受けたLIVEパフォーマンスは圧巻。

Gtr. 多保孝一 (Tabo Koichi) 

1982.2.11生まれ。愛媛県出身。
Superflyメインソングライター。
The Rolling StonesやDoobie Brothersなど60’70’の音楽を敬愛。14歳の頃から作り始めた楽曲は80曲を超える。彼が作る楽曲はRockからBlues、SoulにPops、Countryと幅広く、その全てが個性溢れる楽曲となり新しいサウンドを生み出し続けている。

 資料によれば、越智志帆が「女版スティーヴ・マリオット」と言われたことをきっかけに、いつかデビューしたらハンブル・パイの、それも一番好きな曲のカヴァーをやろうと決心したのだという。そして、若い人たちに往年の名曲を知ってもらいたい、と。

 いやあ、見上げた根性じゃありませんか。音楽の内容やレコードの出来不出来以前に、この心意気だけで100点満点あげたいですよ。

 もちろんイギリス・ロック史上不世出のソウル/ロック・シンガーであるマリオットと、まだデビューもしてない23歳の娘がまともに勝負したって、そりゃブは悪い。でもがんばってますよ。なんでもカヴァーはできるだけ原曲を忠実に再現するのをモットーにしているらしく、ほとんどアレンジらしいアレンジもないじつにストレートな解釈。コピーに近い。でもこんな曲のカヴァーやってくれる人なんて、今まで誰もいなかったんだよね。曲がつまらないわけじゃなく、マリオットのヴォーカルがあまりに強力すぎてみんな怖じ気づいちゃうんじゃないか。でもスーパーフライのふたりはこのクセの強い難曲に果敢に正攻法で挑んでる。ヘンに変化球で逃げるんじゃなく、ハンブル・パイと同様、ど真ん中のストレートで勝負してくる。しかもオリジナルが出たころには生まれてもいなかった日本の若者が。素晴らしいことです。

 もちろん越智志帆のヴォーカルだって、これだけ聴いていればたいそう魅力的だと思う。パワーがあるし、おおらかでまっすぐで物怖じすることない歌いっぷりは、じつに堂々として清々しいし、声もいい。そしてそのサウンドには、確かに60~70年代の香りが漂っている。ハンブル・パイの持ってた泥臭さとか荒々しさはないけど、そのぶんモダンでスマートで聴きやすい。クレジットがないのでどんな編成で作られたものなのかわからないが、もちろん打ち込みではなく昔ながらのバンド演奏だろう。

 惜しむらくはドラムの音が軽すぎるというか、きれいすぎる。往時のロックの持っていた粘り気のあるヘヴィで、それこそホットでナスティなサウンドではなく、妙にクリーンでお行儀がいいのだ。スタジオとかエンジニアとか録音場所とか機材とかいろんな原因が考えられるが、そこだけが残念。まあ仕方ないんだけど……

 で、ほかの2曲(というかこちらのほうがメインなんですが)はどうかというと、やはりどこか60年代~70年代風の香り漂うロック。男女デュオでその時代のロックを思わせるというとラヴ・サイケデリコがいるけど、あんな人工的な感じはなくて、もっと自然でオーソドックスで人間的。バンド・サウンドっぽいんですね。楽曲もかなり良い出来なんですが、オリジナル曲になるとどことなく昭和歌謡曲な雰囲気が漂うのも面白いところ。なんか梶芽衣子「野良猫ロック」シリーズの主題歌にしたい感じというかね。

 まだシングル1枚聴いただけ、ライヴも見てないから即断はできないけど、曲もなかなか書けるみたいだし、越智志帆のヴォーカルもかなりのスケール。いや、単におっさん好みの昔のロックやってるってだけじゃない。ちゃんと今のJ-POPシーンでも商業的な可能性を持った人たちだと思います。今のスタンスを変えないまま売れるといいなあ。事務所がウルフルズやボニー・ピンクやボノボのタイスケっていうのもポイント高そう。
 
 そんなわけで私にしては珍しくJ-POP系の新人に、デビュー前から注目したいと思います。次のシングルでまたマニアックなカヴァーをやってくれると嬉しい。

「ハロー・ハロー」の試聴はここ

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