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2009.02.08

■最近見たライヴ

 最近見たライヴについて、備忘録代わりに記しておきます。

1/27 デヴィッド・バーン@AX

 ウワサ通り、出し惜しみなしのトーキング・ヘッズ大会。声がまったく衰えてない(つうか昔よりはるかに歌がうまくなってる)のもそうだが、3人のダンサーを含めたパフォーマンスが若々しくて刺激的で、単に昔の曲を演奏しましたって風には全然なってない。バーンの前説によれば、今回のツアーはイーノとのプロジェクトの曲を演奏するのがテーマだそうで、だから「リメイン・イン・ライト」までのトーキング・ヘッズの曲が多くなるのは当たり前だが、そのいずれもが古くささや懐かしさなど微塵も感じられないシャープでタイトな演奏になっていた。興奮しましたねえ。「バーニング・ダン・ザ・ハウス」なんかもやったけど、塀の中の岡村ちゃんに聴いて欲しかったなあ。(遠い目)

 ただむかしのバーン(ヘッズ)にはあって、今の彼にはないものもあって。昔のトーキング・ヘッズには、音楽の本質とは直接関係のない塵とか芥とか、いろんな無駄なものがいっぱいくっついていて、その過剰な何かがある種のアクの強さとかまがまがしさとかリクツを超えた勢いとかエネルギーに繋がっていたと思う。それはある種の時代背景、時代の風と言ってもいいけど、今のバーンの音楽からはそうしたものはきれいさっぱりと削ぎ落とされていて、必要最低限の核のみが鳴っている感じなのだ。それが今回の贅肉を排したストイックでタイト、ソリッドな演奏に結実してるわけだけど、その代わり昔にはあった「リクツを超えた何か」は失われている。違う言い方をすると、若さ故に過剰に分泌していた脂が抜けて、ギラついたところがなくなってさっぱりしちゃってる。いわば精進料理化したトーキング・ヘッズ。それが物足りないという思いも、特にライヴ序盤のころは感じたけど、あまりの達者な演奏と熱のこもったパフォーマンス、そしてかっての人を寄せつけない厳しさが消え、いい感じに丸くなっていたバーン自身の本当に楽しげな様子を見て、気にならなくなった。こんなにヘッズの曲やるならヘッズ再結成でいいじゃん、とも思うが、ヘッズだったらこんなに達者な演奏にはならなかったかも。

 まだ今の段階じゃはやすぎるけど、間違いなく今年度のベスト・ライヴ。この壁を越えるのは相当に難しいだろう。たとえていえば「シャイン・ア・ライト」のストーンズぐらいしかないんじゃないか。

 ただ客席の年齢層は相当に高く、若者の姿をほとんど見かけなかったのは、予想していたこととはいえ残念。バーン自身の活動が、今のシーンの流れとまったく接点がないから、若者が興味をもつような回路が皆無なんだよな。こりゃやっぱフジロックに来るしかないんじゃないですかね。

1/29 プライマル・スクリーム@ZEPP東京

 かってのように、実際に見るまでどうだかわからない、というような不安定さ、危うさ(それが魅力だったわけだが)はなくなって、すっかり安定している現状(エクスターミネイターのツアー以降かな)を反映して、安心して楽しめた。とにかくやけくそのように音がでかくて歪んでる。近作アルバムのフォーク・ロックぽかったりカントリー・ロックぽかったりする曲が全部ストゥージズみたいになってたのは笑えた。ま、健在ってところですか。それにしてもあの悪夢の初来日@クアトロを思うと、なんとまあ立派なバンドになったことか。ほんと、こんな長いつきあいになるとは思わなかった。なんだかんだ言って、一番回数多く見ている外タレかもしれん。

 あとで聞いたところによると、前日のライヴに納得がいかなかったらしいボビー先生、この日は終演後もちょーご機嫌だったらしいです。

2/5 プロディジー@AX

 暑いわやかましいわで、とにかくすごかった。

 もう10何年前の初来日は六本木のものすごく小さなクラブでガラガラの状態で見たけど、そのあとは幕張メッセとかフジロックとか、そういう巨大会場でしか見てないので、これぐらいの規模の会場で見るのははじめて。

 とにかくすごい熱気とエネルギーで窒息しそう。新作もファースト以来久々にレイヴ回帰してて最高だったけど、ライヴはそれを軽く陵駕する盛り上がりだった。客の熱狂もハンパない。「Out of Space」とか最高すぎでしたわ。

 間違いなく今まで見たプロディジーでベスト。ペンデュラムとかケミスツとかハドーケンとかいろいろ出てきたけど、格が違いすぎでした。

 ショウケースだったので1時間20分ぐらい。できれば次のライヴもこれぐらいの規模の会場で見たいが、次はおそらくサマソニで千葉マリンあたりですかね。

2/7 ジェフ・ベック@東京国際フォーラム

 前回の来日はリラックスしすぎで、やや演奏が緩んで聞こえたが、今回はリラックスしつつも緩みはまったく感じられない。トーンもフレーズも勢いも鋭くエネルギッシュで、全盛期にヒケをとらぬ、手に汗握る好プレイだった。今回の来日はクラプトンとの対バンもあり、かなり気合い入れてリハを積んできたんじゃないかな。ベースは娘みたいな若い女性。ドラムのVinnie Colaiuta がバカうまでびっくり。

2/7  「達也+勝井presents DARTY HEAT PARTY Vol 1」@六本木スーパーデラックス

 勝井祐二と中村達也が企画するシリーズ・イベント。勝井さん、達也、モリケンなど古いつきあいのミュージシャンが共演するので見逃せなかった。こないだのロック夜話に達也が遊びに来たとき、前日に勝井さんと打ち合わせで深酒したと言ってたけど、このイベントについてだったのかな。
http://www.super-deluxe.com/2009/2/7

 基本的にインプロヴィゼーション大会だが、いつになくロック色が強かった。現在23歳と飛び抜けて若いケンケン(RIZEのベース)の、若さあふれるエネルギッシュなプレイとパフォーマンスに煽られて、勝井も達也もいつにない熱演。若者の熱気に煽られたおっさん連中が張り切りすぎてオーバーヒート、という感じで、大変に面白かった。達也はもちろんだが勝井さんもふだんのクールさをかなぐり捨てての汗だくのプレイで、楽しかったです。もしベースが照ちゃんやタツだったらまったく違う演奏になったはずで、本当にライヴというのは生き物ですね。久々にモリケン・ダンスが見られるかと思って期待していたが、ふつうにプレイしていて拍子抜け(笑)。

 睡眠不足のうえ当日は取材1本にライヴのはしご、移動でめちゃ歩いて疲労困憊だったのだが、最後の最後に元気をもらった。終了後は楽屋に挨拶。珍しくラピスさんにお会いした。さすがに打ち上げには参加せずおとなしく帰宅。

 そういえば達也が「ミュージックマガジン」のブランキー特集について、感謝の意を表してコメントしている。
中村一人旅 No.102
 やった甲斐があった。ライターのひとりとして、素直に嬉しい。なんでも達也は自分で「ミュージックマガジン」を買ったらしい。自分が表紙になってる雑誌を金出して買うってどんな気分なのかと思って本人に訊いたら、さすがに奥さんに買ってきてもらった様子(笑)。

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