2004.02.27

■スクールオブロック

 いやー笑った。死ぬほど笑った。面白い。文句なし。

 なぜかこのところ映画づいている。東銀座のUIP試写室で。アメリカ公式サイト日本公式サイト

 中原昌也のほとんど宗教的な説得を受け見に行ったのだが、これが大当たり。

 お話はというと、ロックしか能のないボンクラがニセ教師になりすまし小学生のガキにロック道を叩き込む、というだけ。前半部の子供たちのキャラクターをもう少し丹念に描き分けると良かったとか、後半部の展開がルーティンだとか、欠点はいろいろあるけど、10歳の子供に最初に教えるロックがブラック・サバスの「アイアン・マン」というくだりで、一気に引きずり込まれた。とくに前半部はテンポもよく爆笑の連続。映画を見て涙が出るほど笑ったのは久しぶりだ。

 この映画の面白さのひとつは、ロックのスパイナル・タップ性というか、ルーティンなロック・イメージの徹底したパロディ化とカリカチュア化にある。暑苦しいほどロック命の主人公(テネイシャス・Dのジャック・ブラック。熱演!)の馬鹿馬鹿しいほどのロック信奉ぶりをワハハと笑うのがこの作品の肝。だがそのカリカチュアが、比較的シリアスな展開となる後半部では半ば本気のロック賛歌になっていくわけで、そこが感動的でもあり、気恥ずかしくもある。だがこの作品のもうひとつの肝は、社会性ゼロのオトナコドモであるダメ主人公が小学生との「ロックごっこ」にのめり込んでいく過程で成長していく一種の教養映画でもあるわけで、だからこそルーティンの展開ながら全然飽きず、ハラハラしたりホロリとさせられたりして、最後まで楽しめてしまうわけだ。

 とにかく悪いこと言わないから、この日記読んでる人は、なにをおいても見たほうがいいです。この前紹介した「永遠のモータウン」も素晴らしい音楽映画だったけど、エンタテイメントとしては、やっぱりこっち。もしキミが「オレはダメな人間だなあ」と一度でも思ったことがあるなら、必見です。オールド・スクールなロックに多少なりとも知識があればなお結構。

 これでも興味持てない? なら、この映画の音楽アドバイザーがジム・オルークだというネタはどう?

 さすがに話題の映画、試写会場にはバッファロー・ドーターのムーグ山本さんやスチャダラパーのシンコやアニなど、音楽関係者多数。GWに全国東宝洋画系で公開。あー楽しかった。試写会、もう一度見に行こうか……(中原はもう4回見て、見るたびに泣いているらしい)。

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2004.02.09

■永遠のモータウン

 久々の試写会@渋谷シネカノン試写室。原題は『Standing in the Shadows of Motown』 。日本語サイトはこちら。

 70年代初頭にLAに移転する前の、黄金期のモータウン・サウンドを支えたバック・ミュージシャンたち=ファンク・ブラザーズに焦点を当てたドキュメンタリー。というとマニアックな内容を想像するかもしれないが、これほどまでに音楽への愛と敬意が満ちた映画は滅多にない。泣くね、はっきり言ってこれは。60年代のモータウン・サウンドがいかに作られていったのか、音楽的/人間的/社会的側面からそれぞれ丹念に、さまざまな証言や、微苦笑もののエピソードも交えながら、わかりやすく解き明かしていく。なかでも、すでに鬼籍に入ったメンバーの遺影を掲げながらの再結成ライヴ(ミシェル・ンデゲオチェロ、ブーツィ・コリンズ、チャカ・カーン、ベン・ハーパーなどがヴォーカル)は感動的。チャカ・カーンの歌う"What's Goin' on"は肌が泡立つ思いだった。歌詞がきちんと字幕対応になっているのも、当然とはいえ嬉しい配慮。

 黒人音楽のみならず、およそポップ・ミュージックというもの、アメリカン・ポップ・カルチャーというものに少しでも興味があるなら、なにをおいても見ておくべき作品。素晴らしいです。試写会場では細野晴臣の姿も。渋谷シネアミューズにて4月末公開。

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